家康公により整備が進められ、 多くの人やものが行き交うよ うになった東海道。家康公の 時代から大切に育まれてきた コト・モノに触れるしずおか
の旅に出掛けてみませんか?
大河ドラマ館
東海道の宿場町「丸子宿」にある「駿府の工房 匠宿」は、静岡の伝統工芸の魅力がぎゅっと詰まった大人気のスポット。伝統工芸を楽しみながらトートバッグやアクセサリー、タンブラーなど、自分だけのオリジナルグッズを作ることができます。そのほか、職人が手掛けるモダンな日用品を販売するギャラリーや、 木の温もりを感じるカフェなどがあり、自然に囲まれた環境でゆったりとした時間を過ごせます。
今回体験したのは「小物入れ こぎく」(体験時間30分/2,000円)
匠宿では、「駿河竹千筋細工」「和染」「陶芸」「木工・漆」等の体験ができます。中でも特徴的な「駿河竹千筋細工」は、丸く削った細い竹ひごを使うのが特徴で、江戸時代初期に武家の間で広まった工芸と言われています。体験時間は30分~(作品によって異なります)スタッフのレクチャーを受けながら仕上げていきます。
竹ひごを小さな穴に一本ずつ差していき、すべて差し終えたら竹ひごのカーブに沿って形を整えます。木工用接着剤を塗って完成です
体験のあとは、美味しいものをお供にひと休み。地元の養蜂場のはちみつや旬の食材を使ったフードやスイーツ、ドリンクを提供する「HACHI & MITSU」や、オリジナル焙煎のコーヒーを味わえる「The COFFEE ROASTER」では、店内での飲食はもちろん、一部商品をテイクアウトできます。
中庭には、ベンチやテーブルが設置されています
東海道の6つの宿場町と2つの峠がある静岡市。景勝地や開運スポットも点在しています。それらをめぐって自分だけの「福ハンカチ」をつくる「しずおか東海道ご縁めぐりスタンプラリー」。匠宿もスタンプ処のひとつです。ハンカチの購入も可能なので、ここからご縁めぐりをスタートしてもOK。
スタンプはエントランスにあります
しずおか東海道ご縁めぐりスタンプラリー丸子宿に来たら外せないのが「とろろ汁」。江戸時代から名物として知られ旅人に食されました。とろろは栄養豊富で、宇津ノ谷峠を行き交う旅人もとろろ汁で精を付けて峠越えをしたそうです。丁子屋は慶長元年にお茶屋として創業。歌川広重の浮世絵「東海道五十三次」にも描かれた老舗です。東海道の歴史とともに、とろろ汁の美味しさを今に伝えています。
「本陣」2,310円。とろろ汁と麦飯に、自然薯を使った揚げ物とむかご和え物などの珍味を添えたセット
歴史資料室。展示スペースには、東海道五十三次の紹介や、江戸時代に使われていたであろうすり鉢などの道具類が展示されています
丸子宿をはじめ静岡市から藤枝市にまたがる東海道2峠8宿の魅力を語るストーリーとして、『日本初「旅ブーム」を起こした弥次さん喜多さん・駿州の旅』が、令和2年6月、❝日本遺産❞に認定されました。そこから誕生したのが❝駿州堂❞ブランド。江戸時代の旅を感じられるおみやげや食のメニューが揃います。しずおか東海道を舞台にした街道観光の新たな名物としてぜひチェックしたい。
駿州の旅日本遺産 駿州堂次は、静岡市中心市街地の「府中宿」に足を伸ばし、駿府城公園の外堀へ。家康公が静岡浅間神社を再建する際に、全国から集められた職人の技術が現在のプラモデル産業の発展につながったとされ、静岡市はプラモデルの生産が日本一。❝静岡市プラモデル化計画❞を象徴するプラモニュメントが市内に点在しており、令和5年4月、新たに徳川家康公が若いころに身に付けていた甲冑、金陀美具足も登場しました。まばゆい黄金色に輝いていて、フォトスポットとしてもおすすめです。
続いては、このプラモニュメントから徒歩約2分の静岡市歴史博物館前からシャトルバスに乗って、静岡浅間神社へ向かいましょう。
地元の人々に「おせんげんさま」の愛称で親しまれている静岡浅間神社。境内には神部(かんべ)神社、浅間(あさま)神社、大歳御祖(おおとしみおや)神社など、7つの神社があります。社殿は何度か焼失・再建を繰り返してきましたが、神部神社と浅間神社の本殿や、浅間造と呼ばれる大拝殿など、境内の配置は徳川家康公が浜松城から駿府城に移った頃からほとんど変わっていないそうです。
神部神社・浅間神社の本殿に、特別に参拝しました。(参拝料500円。申し込みは社務所まで)
境内には56の神様が祀られています。そのため、7つの社殿にお参りすれば萬願成就。願い事が何でも叶うと言われています。
社務所では七社参りの御朱印札を授与しています。それぞれの神社の御朱印を集めれば、ご利益もアップ!?
家康公は東照宮として、神部神社と八千戈神社に合祀されています。同一境内に二座祀られているのは全国でも静岡浅間神社だけ。また、家康公が関ヶ原の戦いで用いた軍配団扇や愛用していた勝瓢(かちふくべ)など、ゆかりの品々が多く所蔵されています。現在、静岡浅間神社は平成28年から20年かけて行う平成令和の大改修中。特に浅間造りの大拝殿は、5年後には漆や彩色がきれいに塗り替えられた姿を現します。
荘厳な佇まいの楼門。令和2年に、漆、彩色塗り替え工事が終了
静岡浅間神社を参拝したあとは、どうする家康 静岡 大河ドラマ館へ。「家康公初恋の地しずおか ギフトショップ」でおみやげもチェック!
静岡浅間神社の敷地内に大河ドラマ館があります
市内観光のプラスアルファのお楽しみは、ライトアップされた駿府城公園の東御門・巽櫓。世界的照明デザイナー石井幹子氏がデザイン・設計したライトアップは、毎日、日没15分後から24時まで白色で美しく照らされます。季節ごとの特別プログラムも実施中で11月は錦秋の紅葉をイメージしたライトアップに。また、12月20日~1月10日は、家康公をイメージした金と紫に彩られます。
◆季節の特別プログラム点灯時間/秋:11月1日~11月30日 19:00~22:00、冬:12月20日~1月10日 18:00~22:00
静岡市には、家康公が愛した静岡グルメや、現代まで受け継がれた工芸品が数多く残ります。その多くは、実際に見て、触れて、味わうことができます。「どうする家康 静岡 大河ドラマ館」を訪れた後は、家康公を身近に感じるモノ・コトをにふれるスポットを巡ってみてくださいね。