静岡市街地には徳川家康公ゆかりの場所が点在しています。なかでも巨大な天守が築かれていたと言われる駿府城の跡地は、散策にもおすすめのスポット。家康公の生涯をたどりながら歩いてみましょう。
駿府の歴史を徳川家康公の足跡とともにたどる
徒歩すぐ晩年の家康公も散歩したかも!?駿府城公園をのんびり散策
お堀をぐるりとめぐる遊覧船へ
シャトルバス5分シャトルバスに乗って大河ドラマ館へ
2023年1月13日にグランドオープンした静岡市歴史博物館。常設の基本展示は、静岡市の発展に大きな功績を残した徳川家康公を中心に展開しています。今川氏との関わりや、駿府と世界のつながり、江戸時代以降の静岡の歴史を、家康公の一生を交えながら深掘りしています。
街歩きのスタートは静岡市の歴史探訪の拠点から。まずは家康公の生涯と駿府との関わりを学ぼう
1階はカフェやミュージアムショップもある無料エリア。静岡市の北部・オクシズエリアの木材をふんだんに使った、開放感のある明るい空間。ここで見逃せないのは戦国時代末期の道と石垣の遺構。博物館の建設前の調査で発見され、そのままの姿を展示しています。家康公も歩いたかも!?と思うと歴史ロマンを感じます。
戦国時代末期の道と石垣の遺構がここまで間近に!両側には武家屋敷が建ち並んでいたと考えられている
2階、3階は、家康公の一生や、駿府の地に繁栄をもたらし家康公にも多大なる影響を与えた戦国大名今川氏の功績、江戸時代の城下町から近代以降の静岡の町の成り立ちなどを学べる展示室(有料)になっています。また、建物から円盤が飛び出すかのように設計された3階の展望ラウンジからは、駿府城のお堀と巽櫓(たつみやぐや)・東御門(ひがしごもん)が、今までなかったアングルからの眺めで楽しめます。
展望ラウンジからの眺め。眼下には駿府城のお堀が続き、巽櫓や東御門もすぐ目の前に
※静岡市内在住、通学の小・中学生は子どもカード等提示で無料。
※企画展観覧料は別途料金設定あり。金額は企画展ごとに異なります。
徳川家康公の大御所政治の舞台となった駿府城。天守は現存していませんが、お堀の石垣や、復元された巽櫓や東御門、坤櫓(ひつじさるやぐら)が、徳川家の威光を今に伝えています。
立派な門構えの東御門。巽櫓と東御門は、毎日日没15分後から24時までライトアップされる
城の跡地は遊歩道や芝生広場が整備され、静岡市民の憩いの場として、また、世界的なイベント大道芸ワールドカップをはじめ、さまざまなイベントでの賑わいの中心になっています。公園の一角には大御所時代の家康公像や、家康公お手植えと伝えられるみかんの木があります。
大御所時代を駿府城で過ごした徳川家康公。その頃の姿を模した像は鷹を携えている
富士見芝生広場からは、その名の通り晴れた日には富士山を望むことができます。
春はお花見客で賑わう富士見芝生広場。空気の澄んだ冬は雪をかぶった富士山を望む
駿府城公園の中には、隠れた映えスポットもあります。それは、ハート型をした石垣。どこにあるか探してみましょう。といっても、石垣は無限とも思われるほどあるので、ちょっとだけヒントを。坤櫓の近くにあります。
石垣の中に巨大なハート型を発見!坤櫓周辺の石垣を探してみて
散策途中のひと休みには、おでんやおばちゃんへ。真っ黒なおつゆにカツオのダシ粉をかけて食べる静岡おでんは、静岡っ子が大好きなおやつ。風が冷たい日も湯気の立つおでんを食べれば、体もココロもぽっかぽかに。
店の外にもいい匂いが漂う、おでんやおばちゃん。おみやげ屋も隣接
静岡おでんといえば串に刺さったおでんダネ。黒はんぺんは欠かせない!
静岡おでんを堪能した後は、葵舟に乗って駿府城のお堀めぐりへ。一周は約40分。
救命胴衣をつけて、いざ乗船。音声ガイドが見どころを解説。船頭さんの説明も楽しい
北門橋の乗船場から東御門、巽櫓、坤櫓と順に進んでいきます。石垣に最接近できるのは葵舟ならでは。石に刻まれた当時の大名や職人の刻印も見ることができます。
石垣には大名や職人の刻印が残されている石もたくさん。見つけやすいポイントに舟を近づけてくれる
途中いくつかの橋をくぐりますが、最後の北門橋は屋根を下ろして身をかがめてくぐる、スリル満点の難所。春は桜やツツジが石垣を彩り、お堀でのんびり過ごすマガモやカルガモ、冬には北からの渡り鳥が見られます。
最後にくぐる北門橋。水面から橋桁までの高さは1mくらい。屋根を下げ、乗船客も身をかがめる
散策の締めくくりは、「どうする家康 静岡 大河ドラマ館」へ。駿府城公園周辺から大河ドラマ館のある静岡浅間神社へは、シャトルバスを利用すると便利です。徳川家康公の崇拝が篤かった静岡浅間神社。赤鳥居が出迎えてくれます。
バス停は静岡浅間神社の門前に。シャトルバスを降りれば、大河ドラマ館はすぐそこ
徳川家康公が築いた壮大な駿府城を中心に町が広がる静岡市中心部。幼少期と壮年期、大御所時代と三度にわたり、ここ駿府で過ごした家康公の足跡をたどると、静岡市の歴史も浮かび上がってきます。いつもとはちょっと違う歴史探訪の街歩きをぜひ楽しんでみてくださいね。